この夏、とても大切な時間がありました。
岐阜高校 Hさんとの面談のことです。

彼女とは、トレーニングもして、面談の時間もきちんと取ってきたのに、
なぜか距離が縮まらないまま1か月半が過ぎていました。
どこか壁のようなものを感じながら、それでも“勉強”という共通テーマで向き合い続けていました。

そんなある日、ふとしたきっかけで、勉強以外の話をたくさんする時間がありました。
学校のこと、友達のこと、将来のこと──たわいもない話を重ねていく中で、
初めてHさんとの本音が少しずつ見えてきたんです。

それは、「周りからのプレッシャーがすごい」という一言でした。
「自分は勉強が苦手だとは思っていない。でも、みんなの期待に応えられるのかが不安なんです」と。

その言葉を聞いて、思わず「ごめんね」と口にしました。
もしかしたら、その“プレッシャー”の一部は、私からのものだったかもしれないと気づいたからです。
「勝手に期待してごめん。」──やっと言えた言葉でした。

すると彼女も、
「イマイチ距離をとってしまってごめんなさい」と返してくれました。
やっと、お互いに「弱気になってたね」と笑い合えたんです。

きっと、この日をきっかけに、私たちの関係はようやく本当の意味で“スタートライン”に立てたのだと思います。
受験も勉強も、「人と人」の信頼の上にしか本気は積み上がりません。
私自身も、もう一度“向き合う”ということの意味を考えさせられた時間でした。